溶接(ようせつ)は、金属やプラスチックなどの材料を加熱・加圧して接合する技術で、ものづくりに欠かせない工程の一つです。

🔧 溶接の歴史
▶ 古代の接合技術(紀元前)

- 溶接の起源は非常に古く、紀元前3000年ごろのエジプトやメソポタミア文明で、金属同士を叩いて接合する「鍛接(たんせつ)」が使われていました。
- この時代は、青銅器や鉄器の製作に使われていたと考えられています。
▶ 中世(西暦1000年ごろ)

- 鍛冶屋による鉄の加工技術が発展。
- 鍛接を使った刀剣や農具の製造が行われ、日本でも「刀鍛冶」による高度な接合技術が生まれました。
▶ 近代溶接の始まり(19世紀)

- 1800年代初頭: 電気アークの発見(ハンフリー・デービー)
- 1880年代: ロシアのニコライ・ベナールドスがアーク溶接を発明。
- 同時期、ガスを使った酸素アセチレン溶接(ガス溶接)も登場。
▶ 20世紀:工業化とともに発展

- 第一次・第二次世界大戦中に、船舶や航空機の大量生産で溶接技術が飛躍的に発展。
- 自動車、鉄道、建設など、あらゆる産業で利用が進む。
- 溶接ロボットの登場(1970年代)は、自動化・品質向上に寄与。
📌 溶接の重要性
1. あらゆる産業で不可欠
- 造船、航空、宇宙、自動車、建設、橋梁、原子力発電、鉄道、電子機器などで使用。
- 金属同士を強固に接合でき、構造物の信頼性を高める。
2. 高強度・軽量化
- ボルトやリベットよりも強度が高く、軽量に仕上がる。
- 機械性能の向上、燃費の改善にも寄与。
3. 生産性・コスト効率
- 自動化・ロボット溶接の導入で、大量生産が可能。
- 精度とスピードを両立し、製造コストの削減にもつながる。
4. 技術の革新
- 最新では、レーザー溶接や電子ビーム溶接など、より精密で効率的な方法も登場。
- AIやIoTとの連携により、品質管理や異常検知も可能に。