溶接ヒューム
溶接ヒュームとは、高温のアーク熱によって蒸発した金属やフラックスが大気中で冷却され、微細な鉱物性粉塵となったもので、煙状に上昇する。
セルフシールドアーク溶接
が最もヒューム発生が多い- 溶接ヒュームは、アーク熱によって生じた
フラックス
や金属
などの上記が、空気中で冷やされて極めて細かい粒子となったものである - 溶接ヒュームが関係する健康障害は、
金属熱、じん肺、気管支炎
である - 急性障害:
金属熱
- 慢性障害:
じん肺、気管支炎
- 溶接ヒュームを長期間にわたって吸入すると、細気管支や肺胞に溜まって炎症を起こし、細気管支の壁や
肺胞膜
が線維化して厚くなり、呼吸時の酸素と炭酸ガスのガス交換
が困難になりじん肺症
の発生に繋がる - じん肺症は、初期の頃はほとんど自覚症状がないが、ヒュームを吸引し続けると次第に
咳
や息切れが起こるようになり、ひどくなると歩いただけでも動悸
がして、作業ができなくなる - じん肺症になるといろいろな病気にかかりやすくなる。じん肺法施工規制で合併症と言われているものは、じん肺と合併した
肺結核
、肺がん
などである - じん肺所見のない「管理1」の労働者に受信させるべきじん肺健康診断の時期は
3年以内
である - 労働安全衛生法が定める溶接ヒュームの管理濃度は
3mg/㎥
と定めている - 溶接ヒュームばく露防止の為の作業環境対策と作業者対策は、
⇒作業環境対策:全体換気、局所換気、ヒューム吸引トーチの使用、送風機の使用、清掃の実施、作業の自動化による作業者のヒューム発生源から隔離
⇒作業者対策:防塵マスク着用、電動ファン付き呼吸用保護具着用、送気マスク着用 - マグ溶接、セルフシールドアーク溶接、ティグ溶接、被覆アーク溶接で、最もヒューム発生量が少ないのは、ティグ溶接である
- ティグ溶接よりもサブマージアーク溶接の方が、ヒューム発生量が少ない