
- ワイヤの溶融速度は、アークから供給される熱と、ワイヤ中を流れる電流による
抵抗発熱(ジュール熱)
によって決定される - 前者はほぼ
溶接電流(アーク電流)
に比例し、後者は溶接電流の二乗に比例する - 後者にはワイヤの
抵抗(固有抵抗)
と径(太さ)
及び突き出し長さ
が影響する - 溶接中に突き出し長さが変わると、マグ溶接では溶接電流が変化する
熱量
- アーク電圧E(V)、溶接電流I(A)、溶接速度v(cm/min)で溶接したとき、アークから投入される単位溶接長当たりの熱量すなわち溶接入熱Hは次の式で与えられる
- 【I・E/v】×60 (J/cm)
- 補足:ジュールの法則
⇒電気抵抗のある導体に電流を流した時に発生する熱をジュール熱という
⇒ジュールの法則とは、ジュール熱の発生量が電圧と電流と時間に比例するという法則
⇒ジュール熱Q[J]、電圧E[V]、電流I[A]、電流を流した時間t[s]を使って表すと Q=EIt となる - アーク電圧20V、溶接電流180Aのとき、溶接入熱が9kJ/cmとなるときの溶接速度は?
⇒9000=(20×180/v)×60 ⇒ v=24 - 溶接部の冷却速度は、同じ板厚なら溶接入力が小さいほど大きくなる
冷却速度