動作機構
直角座標形 | xyzの3軸に回転とひねりの2軸を合わせた5軸 |
多関節形 | 小さい設置面積で比較的広い動作範囲を確保できる6軸以上 |
制御機構
数値制御方式 | ロボットを動かすことなく位置情報や動作順序などを数字で入力する |
プレイバック方式 | あらかじめ溶接ロボットを動作させて教示(ティーチング)した位置情報・動作順序・溶接個所及び溶接条件などをそのまま再現する |
オンラインティーチング
ワークについて教授する
溶接休止中に行われ、その間は溶接作業を行うことができない |
オフラインティーチング
ラインの外でティーチングする
三次元CADなどで作成した設計データを利用して、コンピューター画面上でシュミレーション動作を実行し、ロボットへのティーチングプログラムを作成する |
ティーチングプレイバック
アークが発生していない状態で、溶接トーチを実際の溶接線上で移動させて、プレイバック式のロボットに動作を直接教えて再現をする |
溶接検知のセンサ
- ワンタッチセンサ:ワイヤと母材との物理的な接触によって、トーチ位置・開先位置・部材位置を検出する
- アークセンサ:電極と母材間の距離に応じて変化する溶接電流の挙動から、奥行きの確認や狙い位置のずれを検出する
- 光センサ:①レーザポイントセンサ:レーザー光を距離センサに用いて、母材との距離を検出する
- 光センサ:②光切断センサ:レーザー光を距離センサに用いて、母材との距離を検出する
- 光センサ:③直視型視覚センサ:カメラで撮影したアークや溶融池などの映像を画像処理して情報を得る。接触不良は検出不可
詳細
溶接ロボットとは、溶接作業を自動化する産業用ロボットで、精密・高速・安定した溶接を実現するために広く使われています。以下にわかりやすく解説します。
🤖 溶接ロボットとは?
人の代わりに溶接作業を自動で行う機械(ロボット)
主に製造業の大量生産ライン(自動車・造船・建機など)で使われており、作業の品質・効率・安全性を向上させます。
✅ 主な構成要素
項目 | 説明 |
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ロボットアーム | 人の腕のように動く多関節構造 |
溶接トーチ | 実際に溶接を行う部分(MIG, TIG, アークなど) |
制御装置 | プログラムやセンサーの情報で動きを制御 |
センサー | 位置補正、ワーク検出、溶接状況の監視など |
治具(ジグ) | 溶接対象物を固定する装置 |
🔧 対応する溶接方式(代表例)
溶接方式 | 特徴 |
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MIG/MAG溶接 | 溶接速度が速く、自動化しやすい(最も多い) |
TIG溶接 | 精密で高品質、薄板やステンレスに向く |
アーク溶接 | 一部自動化可能、厚板構造にも対応 |
スポット溶接 | 自動車のボディ溶接でよく使用される |
💡 溶接ロボットのメリット
メリット | 内容 |
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品質の安定 | 人と比べてばらつきが少ない |
生産性向上 | 連続作業が可能、スピードも速い |
安全性向上 | 有害なヒュームや火花から作業者を守る |
コスト削減 | 長期的には人件費削減、ロス削減につながる |
⚠️ 課題・注意点
課題 | 内容 |
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初期コストが高い | 導入費・設置費・プログラム費など |
段取り替えが必要 | ワーク変更時に治具やプログラムの変更が必要 |
複雑形状に不向き | 高度な位置補正やティーチングが必要 |
熟練者の知識も必要 | 最初の設定や不具合対応にはスキルが必要 |
✅ 適用例(産業界)
業界 | 使われ方の例 |
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自動車 | 車体のフレーム溶接(スポット溶接・アーク溶接) |
建設機械 | 厚板や構造部品のアーク溶接 |
造船 | 巨大な鋼板やパネルの自動溶接 |
家電・精密部品 | TIG溶接で小型部品を接合 |
🧠 最新技術トピック
- AI搭載溶接ロボット:溶接品質の自動判定やリアルタイム補正
- ビジョンセンサー活用:ワークのずれを自動補正
- 協働ロボット(コボット):人と同じ空間で安全に作業
✅ まとめ
項目 | 内容 |
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何か? | 溶接作業を自動で行うロボット |
主な方式 | MIG/MAG, TIG, スポットなど |
メリット | 品質安定、高速、安全、省人化 |
導入注意点 | 初期コスト、段取り対応、熟練者の知識も必要 |