ISO 15614-2:2005(JIS Z 3422-1)溶接施工法試験
目視試験
| 突合せ継手 (完全溶込み) | 目視試験 放射線透過試験又は超音波探傷試験 表面割れ検出 横方向引張試験 横方向曲げ試験 衝撃試験 硬さ試験 マクロ/ミクロ試験 |
| 完全溶込みT継手 (分岐管継手) | 表面割れ検出 超音波探傷試験又は放射線透過試験 硬さ試験 マクロ/ミクロ試験 |
| 完全溶込みT継手 (部分溶込み又はすみ肉溶接) 管のすみ肉溶接 | 目視試験 表面割れ検出 ミクロ/マクロ試験 硬さ試験 |
ISO 15614-2:2005 は、**アルミニウムおよびその合金の溶融溶接施工法試験（Welding Procedure Test）**について定めた国際規格です。これは、溶接施工要領書（WPS）の妥当性を確認するための試験方法を規定しており、ISO 15614シリーズの一部です。
🔧 基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 規格番号 | ISO 15614-2:2005 |
| 規格名 | Specification and qualification of welding procedures for metallic materials — Welding procedure test — Part 2: Arc welding of aluminium and its alloys |
| 対象材料 | アルミニウムおよびその合金 |
| 溶接方法 | アーク溶接（TIG、MIG、他） |
| 主な目的 | WPS（溶接施工要領書）の認証（適格性試験） |
| 日本規格対応 | JIS Z 3422-1 |
🎯 主な目的
- 溶接施工法（WPS）が技術的に妥当であるかを、実試験を通じて検証
- 製品製造に使用される溶接方法が、機械的性質、外観、内部健全性を満たしていることを確認
🔍 試験の流れ（概要）
- 溶接条件の設定
- 材料の種類（母材、溶加材）
- 板厚、パイプ径
- 姿勢、溶接パスの種類、電流・電圧などのパラメータ
- 溶接施工試験
- 実際に設定通りに溶接試験片を製作
- 各種試験の実施
- 外観試験
- 引張試験
- 曲げ試験（ルート／フェース）
- マクロ試験（溶接断面の観察）
- 必要に応じて非破壊試験（NDT）、硬さ試験、腐食試験など
- 判定・文書化
- 合格基準に従って評価
- 合格であれば、その施工法を用いた WPS を承認できる
- 試験結果は WPQR（Welding Procedure Qualification Record） として記録
📑 主な試験項目と目的
| 試験項目 | 内容 |
|---|---|
| 外観試験 | 溶接ビードの欠陥（割れ、アンダーカット、ポロシティ等） |
| 引張試験 | 接合部の強度確認 |
| 曲げ試験 | 延性・靭性評価（通常2方向） |
| マクロ試験 | 溶け込み、ブローホール、溶接欠陥などの可視評価 |
| 非破壊試験 | 内部欠陥の確認（放射線、超音波など） |
| 硬さ試験（任意） | 局所的な熱影響の評価 |
| 腐食試験（必要に応じて） | 耐食性の確認（特に海洋・航空用途など） |
📘 使われるケース（適用例）
- 航空機・船舶・自動車などのアルミ溶接構造物
- 圧力容器や配管などにおける高品質要求の溶接
- ISO 3834（品質保証）やEN 15085（鉄道車両）との併用
🔗 関連するISO規格（参考）
| 規格 | 内容 |
|---|---|
| ISO 15614-1 | 鉄鋼など金属一般のアーク溶接の施工法試験 |
| ISO 15613 | モックアップ試験によるWPS適格化 |
| ISO 9606-2 | アルミニウム溶接作業者の資格試験 |
| ISO 3834 | 溶接に関する品質要求事項 |
✅ まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 規格名 | ISO 15614-2:2005 |
| 対象 | アルミニウムおよびその合金のアーク溶接 |
| 目的 | WPS（溶接施工要領書）の技術的妥当性確認 |
| 試験内容 | 外観、引張、曲げ、マクロ、NDTなど |
| 成果物 | WPQR（溶接施工法認証記録）に基づく WPS 承認 |
