包括的品質要求事項、溶接監理-任務及び責任

1)要求事項のレビュー | |
2)テクニカルレビュー | |
3)下請負 | 溶接制作に関係するすべての下請負契約者の適格性を考慮しなければならない |
4)溶接技能者及び オペレータ | |
5)溶接監理技術者 | |
6)監査員及び試験要員 | |
7)製造及び試験設備 | |
8)設備の保守 | |
9)設備の仕様 | 溶接及び関連機器の適切性 |
10)生産計画 | |
11)溶接施工要領 | |
12)溶接施工法の承認 | 製造開始前に承認されなければならない |
13)溶接材料のバッチ試験 | |
14)溶接材料の保管及び取り扱い | 納入条件 |
15)母材の保管 | |
16)溶接後熱処理 PWHT | |
17)溶接前、中、後の検査 及び試験 | (溶接前) 溶接技能者及び溶接オペレータの適格性証明書の適切性及び有効性 溶接施工要領の適切性 母材の識別 溶接材料の識別 継手の準備状況(例えば、形状及び寸法) 取付、ジグ及びタック溶接 溶接施工要領書の特別要求事項(例えば、溶接変形の防止) 環境を含む溶接に対する溶接条件の適切性 開先加工の確認 タック溶接の確認 (×)非破壊試験 (溶接後) 基本溶接パラメータ(例えば、溶接電流、アーク電圧及び溶接速度) 予熱/パス間温度 溶接金属のパスおよび層ごとの清掃及び形状 裏は釣り 溶接順序 溶接材料の正しい使用及び取り扱い 溶接変形の管理 中間検査(例えば、寸法チェック) |
18)不適合及び是正処置 | |
19)計測、検査及び試験設備 の校正、及び妥当性確認 | |
20)行程中の識別 | |
21)トレーサビリティ | |
22)品質記録 | 契約確認/デザインレビューの記録 (要求事項/テクニカルレビューの記録) 材料証明書(材料検査成績書) 溶接材料証明書(溶接材料検査成績書) 溶接施工要領書 溶接施工要領承認試験記録(溶接施工承認記録) 溶接技能者又は溶接オペレータの証明書 (溶接技能者又は溶接オペレータの適格性証明書) 非破壊検査要員の認証書(非破壊検査要員の適格性証明書) 熱処理及び施工処理の記録(熱処理施工要領書および記録) 非破壊検査および非破壊検査施工要領ならびに記録 (非破壊試験及び破壊試験要領ならびに記録) 寸法記録 修理記録及びその他の不適格報告書 (修理記録および不適合報告書) 要求された場合、その他の文書 |
「溶接の品質要求事項」(JIS Z 3400)補足
- 品質方針は含まれない
- 第三者検査は含まれない
- 納品証明書は含まれない
- 溶接継手の設計は含まれない
- 構造解析は含まれない
- 下請法の契約は含まれない
- 母材の調達は含まれない
- 設計コンセプトは含まれない
「溶接監理-任務及び責任」(JIS Z 3410)補足
- 文書化
- 生産管理
- 試験
- 材料購入契約は含まれない
詳細説明
ISO 3834(JIS Z 3400)および ISO 14731(JIS Z 3410)は、溶接に関する品質保証および管理体制について規定した国際規格・日本工業規格です。
🧩 ISO 3834 / JIS Z 3400 シリーズ
「溶接に関する品質要求事項」
◆ 目的:
溶接構造物の製造において、品質を一貫して確保するための管理体制や品質保証の要件を定めています。
◆ 適用範囲:
金属材料の溶融溶接(アーク溶接、ガス溶接など)を対象とします。機械、建設、鉄道、造船、圧力容器など、さまざまな産業に適用可能です。
◆ 構成:
ISO 3834 は以下のような複数のパートで構成されています(JIS Z 3400も同様の構成):
パート | 名称 | 内容の概要 |
---|---|---|
ISO 3834-1 | 一般事項 | 適用方針や構成について説明 |
ISO 3834-2 | 包括的品質要求 | 最も厳格な品質管理 |
ISO 3834-3 | 標準的品質要求 | 中程度の品質管理 |
ISO 3834-4 | 基本的品質要求 | 比較的簡易な品質管理 |
ISO 3834-5 | 要求事項の適用に関する指針 | 各パートの適用の考え方 |
◆ 特徴:
- ISO 9001 の溶接版とも言える規格
- 製造者が自社の能力を証明するために活用される
- 非破壊検査(NDT)、溶接施工計画(WPS)、溶接技能者の資格などが重視される
🧩 ISO 14731 / JIS Z 3410
「溶接管理 – 溶接コーディネータの職務および責任」
◆ 目的:
溶接に関する品質を保証するために、溶接コーディネータ(Welding Coordinator)の役割や責任を明確に規定しています。
◆ 主な内容:
- 溶接管理者(コーディネータ)の資格、役割、責任を規定
- コーディネータは、設計、計画、実施、検査、記録の全段階で責任を負う
- コーディネータには、技術的な知識(溶接工学)、実務経験、関連資格が求められる
◆ 関連性:
この規格は、ISO 3834の適用において極めて重要です。
ISO 3834 の実施には、適格な溶接コーディネータの配置が求められるため、ISO 14731は補完的な関係にあります。
🔗 両者の関係性
観点 | ISO 3834 / JIS Z 3400 | ISO 14731 / JIS Z 3410 |
---|---|---|
内容 | 品質管理体制(システム) | 人的管理(責任者の要件) |
主な対象 | 製造プロセス | コーディネータ(人) |
相互関係 | ISO 3834に基づいた品質保証には、ISO 14731で定義された人材が必要 |
✅ まとめ
規格名 | 内容 | 特徴 |
---|---|---|
ISO 3834 / JIS Z 3400 | 溶接の品質保証体制 | 品質要求に応じた等級(-2, -3, -4)あり |
ISO 14731 / JIS Z 3410 | 溶接コーディネータの責務 | 人材に対する要求・技術的能力の明確化 |