ノズル電極による熱性ピンチ効果を利用して得られる細く絞られたプラズマアークを熱源とする溶接法。

特徴
- 拘束ノズルでアークを細く絞ることにより熱性ピンチ効果を得る
- ステンレス鋼のキーホール溶接に用いられる
- シールドガスにアルゴンが用いられる
- ティグ溶接の発展形
- 母材は通電する必要がある。別途母材に通電が不要のプラズマジェット溶接という溶接方法もある。これは、噴出後のエネルギー密度の減衰がひどく、熱効率も小さいので、非金属材料の溶接に適している
詳細説明
🔸 プラズマアーク溶接(PAW:Plasma Arc Welding)とは?
プラズマアーク溶接は、アークを高温・高密度のプラズマ状態にして集中加熱する溶接法です。TIG溶接に似ていますが、プラズマノズルを使用してアークを細く絞るのが特徴です。
特徴:
- 高エネルギー密度:非常に集中した熱源により、深い溶け込みが得られる。
- 微細で高精度な溶接が可能:電子機器や薄板部品に最適。
- 高速溶接が可能:深くて狭い溶け込みにより、生産性が高い。
- ノズルから出るプラズマジェットがアークを安定化。
主な用途:
- 航空宇宙産業(チタンやステンレスの薄板部品)
- 医療機器の精密部品
- 自動車やエネルギー関連の部品加工
🔁 比較表:
特徴 | パルスマグ溶接 | プラズマアーク溶接 |
---|---|---|
熱源 | アーク + パルス制御 | 高密度プラズマアーク |
精度 | 中~高精度 | 高精度 |
板厚対応 | 薄板~中厚板 | 極薄板~中厚板 |
操作性 | 比較的簡単 | やや難しい(熟練が必要) |
スパッタ | 少なめ | ほぼなし |
コスト | 比較的安い | 装置が高価 |