エアプラズマ切断

🔥 エアプラズマ切断とは?

エアプラズマ切断は、圧縮空気を使用し、電気エネルギーによって発生させたプラズマアークで、金属を高速・高温で溶融・吹き飛ばして切断する方法です。
レーザーより安価で、ガス溶断より速く、薄板から中厚板までの金属切断に広く使用されます。


⚙️ 原理(仕組み)

  1. トーチ内部で高電圧放電し、電極とノズルの間にアーク放電を発生。
  2. 圧縮空気をアークに通すことで、空気が数万度のプラズマ状態に変化。
  3. プラズマジェットが金属表面を瞬時に溶融
  4. 圧縮空気の勢いで、溶融金属を吹き飛ばして切断

💨 使用ガスと特徴

使用ガス説明
圧縮空気(Air)最も一般的で経済的。特別なガス不要
窒素・酸素・アルゴン(高性能機用)精度・仕上がり重視の特殊用途では専用ガスも使うが、エアプラズマでは基本「空気のみ」

🧪 特徴とメリット

特徴内容
✅ 経済的圧縮空気だけで動作。燃料ガスや高価なガス不要
✅ 高速切断同じ厚みなら酸素切断より高速(数倍)
✅ 熱影響が少ない熱集中が局所的で変形しにくい
✅ ハンドツール対応可小型で持ち運びできる機種が多い
✅ 非鉄金属対応アルミ、ステンレス、銅合金も切断可能(ガス切断不可)

❌ デメリット

課題内容
バリ・スラグ発生手持ち操作では切断面が荒くなることもある
切断精度レーザーやウォータージェットよりは劣る(0.5〜1mm程度)
ノズル消耗電極とノズルの消耗が早く、定期交換が必要
切断厚さ制限中厚板まで(一般的には25mm以下)

✂️ 対応素材と切断能力の一例

素材切断可否厚み目安(一般機)
軟鋼・SS400~25mm(機種により40mm以上可)
ステンレス鋼~20mm程度
アルミニウム~15mm程度
銅・真鍮切断可だが熱反射注意
鋳鉄可能だが切断面粗くなることあり
木・樹脂・ガラス×電気を通さない・非金属は不可

⚙️ 機器構成(基本構成)

機器役割
電源装置高電圧・高電流を供給
プラズマトーチノズル・電極を内蔵し、プラズマを噴射
圧縮空気供給コンプレッサーまたはボンベから供給
アースケーブルワークに取り付けて電流を流すために必須
制御装置(CNC)自動切断では座標制御が可能(オプション)

📈 切断性能の一例(参考)

出力切断能力(軟鋼)推奨エア圧力使用電極
40A約10mm0.4〜0.5 MPa単極(トーチ内蔵)
80A約20mm0.5〜0.6 MPa長寿命カートリッジ
120A以上25〜40mm0.6〜0.7 MPa高性能トーチ(冷却要)

🧭 主な用途

分野用途例
建設・設備鋼材、アングル、配管部材の現場切断
金属加工ステンレス・アルミの薄板部品加工
修理・保守トラック・農機具のフレーム補修、切り出し
趣味・DIY小型機で金属プレートの形状カット
自動車整備排気管やフレームの切断作業など

⚠️ 安全・注意点

  • アーク光:非常に強力な紫外線 → 溶接用遮光面必須
  • 火花と高温スラグ → 可燃物を遠ざける
  • 切断時の金属煙 → 必ず換気 or 集塵装置を使用
  • 感電リスク → アース接続の確認と絶縁管理が重要

📌 まとめ

項目内容
名称エアプラズマ切断(空気プラズマ切断)
使用ガス圧縮空気
対象材料鋼、SUS、アルミ、銅などの導電性金属
切断可能厚さ1〜40mm(機種による)
特徴速い・安い・非鉄も切れる・携帯性◎
主な用途建築金属加工、DIY、自動車整備、補修作業など

必要であれば:

  • 代表的なエアプラズマ切断機の比較表(国内・海外)
  • ノズルと電極の寿命と交換目安
  • 切断面の品質を良くする操作テクニック
  • CNC搭載型のエアプラズマ機の導入ガイド
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