SO 15607:2000(JIS Z 3420)「溶接金属材料の溶接施工要領とその承認一般原則」

ISO 15607:2000（JIS Z 3420）は、溶接金属材料に関する国際規格であり、日本工業規格（JIS）としても採用されています。この規格は、溶接施工要領（Welding Procedure Specification: WPS）とその承認の一般原則を定めています。

🔧 規格の正式名称

• ISO 15607:2000: Specification and qualification of welding procedures for metallic materials – General rules
• JIS Z 3420: 金属材料の溶接施工要領の検定―一般原則（ISO 15607の日本語版）

📌 規格の主な目的

この規格の目的は、金属材料の溶接における施工要領書（WPS）の作成とその承認方法の枠組みを提供することです。

📝 主な内容と構成

1. 適用範囲（Scope）
   • 金属材料の溶接（アーク溶接、ガス溶接など）に適用。
   • 溶接施工要領（WPS）の作成と承認のための指針を規定。
2. 定義（Terms and Definitions）
   • WPS（Welding Procedure Specification）
   • PQR（Procedure Qualification Record：施工試験記録）
   • WPQR（Welding Procedure Qualification Record）などの用語を定義。
3. 溶接施工要領書（WPS）
   • 使用する溶接方法、材料、溶接姿勢、前処理、後処理などを記載。
   • 品質確保のため、正確で詳細な記述が求められる。
4. 承認方法の選定
   以下のような複数の方法から、適切な方法を選定することが求められます：
   • 溶接施工試験（実際に溶接を行って試験）
   • 既存のデータによる承認
   • 標準WPS（Standard WPS）の使用
   • 既承認WPSの適用範囲の拡大
5. 技術的要求事項
   • 各種溶接プロセス（TIG、MIG/MAG、被覆アーク溶接など）ごとの技術要件
   • 材料区分、厚さ範囲、溶接姿勢などに関する細かい規定

📚 関連規格（ISO 156xxシリーズ）

ISO 15607はシリーズ規格の**総則（general rules）**に相当し、他の個別規格と組み合わせて使用されます：

• ISO 15609: WPSの記載要領
• ISO 15610: 標準WPSによる承認
• ISO 15614: 溶接施工試験による承認（最も一般的）
• ISO 15613: 予備生産溶接による承認
• ISO 15611: 実績に基づく承認

✅ 実務での利用

この規格は、主に以下のようなケースで使われます：

• 製品の品質保証（溶接構造物、圧力容器、配管など）
• 第三者認証（船級協会、ISO認証）
• 溶接技術者の教育や社内標準の整備

📌 まとめ