🔥 エアプラズマ切断とは?
エアプラズマ切断は、圧縮空気を使用し、電気エネルギーによって発生させたプラズマアークで、金属を高速・高温で溶融・吹き飛ばして切断する方法です。
レーザーより安価で、ガス溶断より速く、薄板から中厚板までの金属切断に広く使用されます。
⚙️ 原理(仕組み)
- トーチ内部で高電圧放電し、電極とノズルの間にアーク放電を発生。
- 圧縮空気をアークに通すことで、空気が数万度のプラズマ状態に変化。
- プラズマジェットが金属表面を瞬時に溶融。
- 圧縮空気の勢いで、溶融金属を吹き飛ばして切断。
💨 使用ガスと特徴
| 使用ガス | 説明 |
|---|
| 圧縮空気(Air) | 最も一般的で経済的。特別なガス不要 |
| 窒素・酸素・アルゴン(高性能機用) | 精度・仕上がり重視の特殊用途では専用ガスも使うが、エアプラズマでは基本「空気のみ」 |
🧪 特徴とメリット
| 特徴 | 内容 |
|---|
| ✅ 経済的 | 圧縮空気だけで動作。燃料ガスや高価なガス不要 |
| ✅ 高速切断 | 同じ厚みなら酸素切断より高速(数倍) |
| ✅ 熱影響が少ない | 熱集中が局所的で変形しにくい |
| ✅ ハンドツール対応可 | 小型で持ち運びできる機種が多い |
| ✅ 非鉄金属対応 | アルミ、ステンレス、銅合金も切断可能(ガス切断不可) |
❌ デメリット
| 課題 | 内容 |
|---|
| バリ・スラグ発生 | 手持ち操作では切断面が荒くなることもある |
| 切断精度 | レーザーやウォータージェットよりは劣る(0.5〜1mm程度) |
| ノズル消耗 | 電極とノズルの消耗が早く、定期交換が必要 |
| 切断厚さ制限 | 中厚板まで(一般的には25mm以下) |
✂️ 対応素材と切断能力の一例
| 素材 | 切断可否 | 厚み目安(一般機) |
|---|
| 軟鋼・SS400 | ◎ | ~25mm(機種により40mm以上可) |
| ステンレス鋼 | ◎ | ~20mm程度 |
| アルミニウム | ◎ | ~15mm程度 |
| 銅・真鍮 | ○ | 切断可だが熱反射注意 |
| 鋳鉄 | △ | 可能だが切断面粗くなることあり |
| 木・樹脂・ガラス | × | 電気を通さない・非金属は不可 |
⚙️ 機器構成(基本構成)
| 機器 | 役割 |
|---|
| 電源装置 | 高電圧・高電流を供給 |
| プラズマトーチ | ノズル・電極を内蔵し、プラズマを噴射 |
| 圧縮空気供給 | コンプレッサーまたはボンベから供給 |
| アースケーブル | ワークに取り付けて電流を流すために必須 |
| 制御装置(CNC) | 自動切断では座標制御が可能(オプション) |
📈 切断性能の一例(参考)
| 出力 | 切断能力(軟鋼) | 推奨エア圧力 | 使用電極 |
|---|
| 40A | 約10mm | 0.4〜0.5 MPa | 単極(トーチ内蔵) |
| 80A | 約20mm | 0.5〜0.6 MPa | 長寿命カートリッジ |
| 120A以上 | 25〜40mm | 0.6〜0.7 MPa | 高性能トーチ(冷却要) |
🧭 主な用途
| 分野 | 用途例 |
|---|
| 建設・設備 | 鋼材、アングル、配管部材の現場切断 |
| 金属加工 | ステンレス・アルミの薄板部品加工 |
| 修理・保守 | トラック・農機具のフレーム補修、切り出し |
| 趣味・DIY | 小型機で金属プレートの形状カット |
| 自動車整備 | 排気管やフレームの切断作業など |
⚠️ 安全・注意点
- アーク光:非常に強力な紫外線 → 溶接用遮光面必須
- 火花と高温スラグ → 可燃物を遠ざける
- 切断時の金属煙 → 必ず換気 or 集塵装置を使用
- 感電リスク → アース接続の確認と絶縁管理が重要
📌 まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|
| 名称 | エアプラズマ切断(空気プラズマ切断) |
| 使用ガス | 圧縮空気 |
| 対象材料 | 鋼、SUS、アルミ、銅などの導電性金属 |
| 切断可能厚さ | 1〜40mm(機種による) |
| 特徴 | 速い・安い・非鉄も切れる・携帯性◎ |
| 主な用途 | 建築金属加工、DIY、自動車整備、補修作業など |
必要であれば:
- ✅ 代表的なエアプラズマ切断機の比較表(国内・海外)
- ✅ ノズルと電極の寿命と交換目安
- ✅ 切断面の品質を良くする操作テクニック
- ✅ CNC搭載型のエアプラズマ機の導入ガイド