アーク電圧の構造
- アーク電圧は、陽極前面部での陽極降下電圧と陰極前面部での陰極降下電圧及び中間のアーク中部分でのアーク柱電圧からなっている
アークへの供給電力
- アークへの供給電力は、アーク電圧と
溶接電流との積で与えられるが、この発生熱の一部は大気中や電極などへ逃げるので、母材に与えられる熱量はこの逃散分だけ少なくなる。 このアークの発生熱量(供給電力)に対する母材の吸収熱量の比率をアークの熱効率という
電磁ピンチ効果

- 鋼溶接部の組織を決める冷却速度は、溶接入熱、継手形状、
予熱温度などによって著しく変わる - 冷却速度を定量的に表す指標として、
540℃における冷却速度、及び800℃から500℃迄の冷却時間がある
その他特記
- ティグアークのようなアルゴン気中での比較的大電流アークでは、電極から母材へ向かう強力なガス流れが形成される。これを
プラズマ気流という - 鋼板の溶接に際して、鋼製のブロックが溶接線近くに置かれているとき、溶接アークがこの鋼製のブロックに吸い寄せられて振れる。このアークの偏向現象をアークの
磁気吹きという - 交流アークでは半サイクルごとに電流の方向が変わり、電流がゼロになった瞬間にはアークはいったん
消失し、次の半サイクルに移行するとき高い電圧が必要となる。このピーク電圧を再点弧電圧という - アーク溶接において溶接棒(ワイヤ)端の溶融金属が溶融池に移行しないで、溶融池以外の部分に飛散する現象、および溶融池から溶融金属が周囲の母材に飛散する現象を
スパッタという

